2019年10月1日火曜日

園長の言葉(10月)

10月の聖句

ほかの種は、良い土地に落ち、芽生え育って実を結ぶ。

          マルコによる福音書4章8節

 今からおよそ2千年前に生きたイエス様は「神の国」
が近づいたことを人々に語りかけました。イエス様は、
日本で経験することの出来る四季の変化と同じ四季の
あるガリラヤ地方で活動します。ガリラヤ湖に近いカ
ファルナウムを拠点として神の国運動を推進します。
先ず、弟子を招きます。ペトロ、アンデレが湖で漁を
していました。イエス様は「私に従いなさい」と呼び
かけます。すると、二人は網を捨てて、イエス様の後
について行きます。次に、ヨハネとヤコブに会い、
「私についてきなさい」と呼びかけます。二人はやは
りイエス様の後について行きます。
 ある日、ガリラヤ湖畔で、多くの人々がイエス様の
話を聞こうとして集まって来ます。あまりの多さに押
し潰されてはいけないと、イエス様は舟に乗り、岸か
ら離れ、腰を下ろし話し始めます。全て譬えを用いて
話します。「よく聞きなさい」湖と言いましても小波
の音がしますし、人々の雑音もあります。そのために、
大声で話したと考えます。よく聞きなさい。これから
聞く言葉を記憶にとどめなさい。コトバを聞く。生れ
て間もない赤ちゃんは泣いてばかりです。また、赤ち
ゃんの周りの大人はシャワーのようにコトバを語り掛
けます。赤ちゃんが何に興味を示すのか、アメリカで
実験が行われました。そこで、動物の写真(犬、猫等)、
こどもの写真、大人の写真。なんと大人の写真を見る
時間が一番長かったそうです。大人の顔を見る。大人
の口からコトバが出て来るからです。コトバを聞きた
いとの赤ちゃんの衝動と考えられます。赤ちゃんは1
間、寝ることがほとんどです。ハイハイ、独り立ち、
歩行へと進みます。歩くことが出来るようになるとコ
トバを発する声帯が出来あがります。こうして、一言、
二言、自らコトバを発することが出来るようになりま
す。初めの一言を発するために、どれだけのコトバ掛
を聞いたことでしょうか。外からのコトバがけにより
赤ちゃんから幼児へと日常生活の中で話しコトバを身
に付けて行きます。イエス様は生活の中で経験するこ
とを用いて譬えを語ります。
 種蒔きが種を蒔きに出て行った。種は貴重なもので
す。また、種そのものに成長して実を結ぶ力を持って
います。種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結
びます。良い土地に種が落ちれば必ず実を結びます。
種自身が成長する力を宿しているからです。種は良い
土地に落ちて、芽生え、実を結ぶ。このコトバは、私
たちの心の深くにとどまり、様々な日常生活の中で想
起されることになります。なぜなら、イエス様の語ら
れたのは神の言葉だからです。
               園長 真砂 良克

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