2019年1月30日水曜日

ナースリーだより2月Ⅱ














ナースリーだより(2月)

聖書の言葉

喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。

       ローマの信徒への手紙1215

 幼児保育に関わりを持った当初、男の子が
泣いていると「男の子は泣かないのだよ」と
語りかけていました。知らずに身についた社
会的な感覚です。しかし、幼児保育の現場で
はありのままに受け入れており、私の考えは
古いことに気づき、男の子も悲しい時には泣
いていいのだと考えるようになりました。幼
児保育の現場にいると様々な気づきを与えら
れます。年少、年中のクラスではそれぞれ金
魚を2匹水槽で飼っていました。前後して、
年少のクラスの金魚1匹、年中のクラスの金
魚1匹が死んでしまいました。時間と空間を
共有したクラスの子どもは、死んだ金魚を
「夢の家」(園庭内にある小さな建物)の下
の土中に埋葬し、神様にお祈りをしました。
人を見ると口を大きく開けて餌を求めて水面
まで出てくる金魚がいなくなった悲しみを覚
えました。
 また、117()にはお餅つきを園庭で
行いました。お友達が重い杵でお餅をつく時
「いちに」「いちに」「がんばれ」がんばれ」
と声を合わせて応援する姿が見られました。
お餅つきは人々を元気にさせます。19951
17日に起こった阪神淡路大震災の年末、被災
された方々のために餅つきが行われました。
家を失い意気消沈された方々は餅つきに参加
して元気を与えられたと聞きます。
                園長 真砂 良克

園長の言葉(2月)

暗唱聖句

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」
         ローマの信徒への手紙1215

 新しい年もはや一か月が過ぎました。「少年老い
易く学成り難し、一寸の光陰軽ろんずべからず」の
ごとく、幼稚園では緑組を小学校に送り出すために
励んでいます。黄組や赤組や桃組の園児さんにとり
緑組さんは憧れの存在です。自分たちが緑組になっ
た時に思い起こして真似ることになります。真似る
ことは学ぶことになります。こうして良き伝統が引
き継がれて行きます。幼稚園で何を真似るのでしょ
うか。2月の聖句にあるように、他者と共に生きる
ことにあります。喜ぶ人と共に喜ぶ。これはなかな
か難しいことです。今から24年前の1995117
早朝、阪神淡路大地震が起こりました。被災された
人たちが大勢おられました。その年の年末に「おも
ちつき」が行われました。これからの将来について
楽観出来ない人々がおもちつきに加わり居場所のあ
ることを確認されました。もちをつく人、もちを握
人、食べる人、もちつきに参加された人たちは喜
を覚えました。
 特に教会関係の人々がもちつきを支援します。も
ちつきは誰もが楽しく行うことが出来ます。年老い
た人から若者、子どもに至るまで参加出来ます。20
11311日、東日本大震災が起こります。悲しん
でいる被災者の方々を喜ばせたいと願って、その年
末に西宮からもちつき隊が東日本の被災地に向けて
出向きます。ワゴン車に竃、釜、薪、蒸し器、臼、
杵を積んで出かけました。もちつき隊からの献金の
呼びかけに所属していました教会と幼稚園で答えま
した。悲しむ人々に元気になってほしいとの願いか
らでした。泣くこと。幼児保育に関わった当初、泣
いている男の子を見ると、「男の子は泣かない。」
と平気で言っていました。悲しいから泣く。悲しい
気持ちは、生き物の死で生じます。赤組、黄組、そ
れぞれ一匹の金魚が死にました。共に過ごした園児
たちはそれぞれ夢の家の下の土中に埋めました。こ
うして、喜ぶ人と共に喜び、悲しむ人と共に悲しむ
ことを身につけて行きます。
               園長 真砂良克

2019年1月8日火曜日

ナースリーだよりⅡ(1月)


ナースリーだより

聖書の言葉

「もとめなさい、そうすれば、あたえられる。」

        マタイによる福音書7章7節

 新しい年を迎え、お喜びを申し上げます。
新しい年もよろしくお願いいたします。
 大晦日は特別な思いがいたします。過ぎ
し日を顧み、新しい年への思いがあふれ出
てきます。
 昨年の大晦日の午前中に園庭で餅をつき
ました。
幼稚園には餅をつく道具がそろっていま
す。お正月に備えて餅をつきたいと餅米
3キロを購入していました。前日に餅米
を水に漬けておきました。大晦日に幼稚
園の園庭で前日水に漬けていた餅米を蒸
し器に入れ、移動式竈(かまど)で火を
焚き、お釜に水を入れ、蒸し器を乗せ、
45分程蒸して、杵で餅に仕上げました。
何から何まで独りで行いました。子ども
のころから餅つきを手伝っていましたが、
ただ、つくだけで、前日から準備するこ
とはありませんでした。
ナースリーでは今年度は餅を造ることは
ありません。次年度には餅米から餅にな
るまでをお子さんたちに見ていただきた
いと願っています。見る、触る、食べる。
当たり前のことが避けられて行きます。
求める。私達人間が本当の人間になるよ
うに求める。そうすれば、与えられる。
昔から大切されて来たことには、それま
での知恵が込められています。子ども達
にとり基礎となるようなことを体で経験
することをナースリーでは追い求めたい
と願います。           
         園長 真砂 良克

園長の言葉(1月)

暗唱聖句

「もとめなさい、そうすれば、あたえられる。」

         マタイによる福音書77


新しい年を迎え、お慶び申し上げます。
3学期が始まります。3学期も園の歩みに
ご協力をお願いします。
朝日新聞の天声人語に次のような記事が
ありました。1年でいちばん好きな日は、
たぶん大晦日だと思う。作家の津村記久
子さんがエッセーにそう書いている。
 お正月はとても楽しい。けれども2日
はもうただの休みだし、3日なんか明日
から会社かと、げんなりする。しかし、
大晦日は違う。「待つ」ことの楽しさが
凝縮されているのだ。人間には、二通り
の時間の感じ方がある。一つは、未来に
向かって直線に進んで行く時間。もう一
つは、毎年毎年循環する時間である。こ
の記事を読んで大晦日をクリスマスに置
き換えて考えました。クリスマスまでを
子どもたちと待ち望みました。一日、一
日と待ち望みました。そして、クリスマ
スの日(1214日)を、喜びを持って迎
えました。
私の場合は教会との関係で1223日、24
日もクリスマスをお祝いしました。クリ
スマスも循環します。今年も巡って来ま
す。
ドイツのお菓子にバウムクーヘンがあり
ます。とても、美味しいものです。バウ
ムは木を、クーヘンはケーキを意味しま
す。木のケーキ。木の年輪を模していま
す。日本の木の年輪は寒暖の差から生じ
ます。毎年、毎年、クリスマスを迎えま
す。木が毎年成長するように、クリスマ
スを迎える度に神様を信じる思いを強め
られて行きます。
さて、私は昨年の大晦日には園庭で餅つ
きをしました。子どものころから1年に2
回ほど餅をついていました。もち米は自
家製でした。餅をつく楽しさを子ども達
にも経験してほしいと思います。自分た
ちがついた餅を食べる。美味くないはず
はありません。餅米が餅になる過程を見
て、触り、食べる。どんどん身の回りか
ら消えて行く日本の伝統の行事を、子ど
もたちに伝承したいと願っています。
         園長 真砂 良克