聖句の解説
このように主によってしっかりと立ちなさい。
聖書 フィリピの信徒への手紙4章1節
這えば立て立てば歩めの親心、との川柳があ
ります。親は子の成長を願います。ハイハイし
独り立ちすることが出来るようになると、今度
は歩くことが出来るようにと願います。子ども
は体で歩くことを覚えて行きます。一人で歩く
ことが出来るようになってもヨチヨチ歩きです。
見ていて危うく感じてしまうことがあります。
2月の聖句はパウロがフィリピにある教会の
人々に書き送った手紙です。まるで親が愛する
子どもに伝えるような書き方をしています。こ
の世を去る時が近くなり、まるで遺言のような
内容になっています。4章の前の3章終わりでは
手紙を書いたパウロに倣うようにと書いていま
す。パウロの生き方に倣うのではありません。
パウロを生かしているイエス・キリストに倣う
ように奨めています。「主」とはイエス・キリ
ストのことを指しています。フィリピにある教
会の人たちは、パウロのことをまるで自分たち
を生み出してくれた親のように考えていました。
パウロがある町で治安を乱すとの理由で投獄さ
れました。誤認の逮捕で、しばらくして解放さ
れますが、投獄のニュースを聞くとすぐに教会
から代表者をたてて物品を持たせてパウロに面
会に行きます。そのことがどれだけパウロの励
ましになったことでしょうか。手紙を書いた理
由の一つとして、そのお礼もありました。この
地上での歩みがそう長くないことを知って、主
によってしっかり立ちなさい、と奨励します。
立ち、そして歩く。パウロが用いる「歩く」と
いう言葉は生活することを表現したものです。
主にあって日々を生きる。イエス様が共に歩ん
でくださるから安心である。主にあって安心し
て日々を生きる。様々な不安や恐れがある日常
生活において、これほど励まされる言葉は他に
ありません。
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