2015年3月10日火曜日

園長先生からのお便り(3月)

 今年度も残り1ヶ月となりました。3年前に赤組に入園してきた子どもたちは、もうすぐ
卒園していきます。この3年間の子どもたちの成長ぶりには目をみはるものがあります。
 さて、私はこれまで7年間にわたってこひつじの会の園芸部の皆さんと幼稚園の畑にさまざまな野菜を作ってきました。植えた種や苗がだんだん成長し、収穫の時を迎える時はとても楽しみです。しかし、茎が伸び、葉が大きくなり、実がなる決定的な瞬間というものは見ることはできません。それは夜昼寝起きしているうちに自然に成長しているからです。
「成長するが、どうしてそうなるのかは知らない」と聖書に書いてあるとおり、私たちは
知っているより知らない方が多いということでしょうか。
 肥料を与え、水をやり、周りの草を引く作業はしますが、それらの働きはあくまで成長に仕える補佐的な役割でしかないのです。なぜなら成長する力は野菜自身が持っているからです。こどもの成長も同じではないでしょうか。親の知らないうちに、また周りの人の気がつかないうちにいつの間にか体や心が成長していくからです。もちろん植物を育てるように水をやり、周りの草を抜くような働きは大切です。しかし、子ども自身が自分で伸びようとする動きを邪魔するような過度な働きはするべきではないと思います。親の望んだ形で子どもを育てたい、また育てられるはずだという思いは、子どもが「ひとりでに」実を結ばせようとする力を妨げる可能性も持っています。成長の早い子も遅い子も、子ども自身の中にある時にかなって成長する力を信じたいと思います。