2019年9月3日火曜日

園長の言葉(9月)

9月の暗唱聖句 


沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい。
       ルカによる福音書5章4節

 長がかった夏休みが終わりました。お子さん
たちはこのことを心待ちしていたのではないで
しょうか。教師達は長い夏休み中に外に出かけ、
研修に3回参加しました。また、それぞれ自宅
研修に励み、二学期が始まることを楽しみに待
っていました。キリスト教保育に始まる幼児教
育はフレーベルに遡ります。この人は世界で
めて幼児教育の必要性を説きました。父親はプ
ロテスタントの牧師でした。イエスの説いた
「神の国」に触発されて、子どもたちは無条件
にイエスに受け入れられているために子どもた
ちが遊ぶところとして、キンダーガルテンと命
名しました。「子どもの園」と日本語に訳せま
す。しかし、日本では幼稚園と訳してしまい、
文部省の管轄となります。フレーベルの子ども
理解はルソーに近いと言われます。ルソーは
「エミール」(日本語に訳された題名)の中で
教育者とは子どもの持っているものを引き出す
役割を担う責任があると語ります。子どもの主
体性を大切にしています。フレーベルもこのこ
とを継承します。この世に誕生した人間の能力
を引き出す力を持った方は「神の国」を宣べ伝
えたイエスその人だと言えます。
 9月の暗唱聖句はそのことを私達に語ります。
イエスがガリラヤ湖畔に立っていると、神の言
葉を聞こうとして、群衆がその回りに押し寄せ
て来ます。群衆の主体性が表現されています。
神の言葉を聞きたい。イエスが語るのは「神の
国」でした。ですからイエスが語るのは神の言
葉です。群衆が大勢で押し寄せたものですから
押し倒されてはいけないと、イエスは、近くで
網を洗っているシモンに、舟を岸から漕ぎ出す
ようにと頼みます。舟の上から湖畔にいる群衆
に向かって教えます。聖書には何を教えたのか
は書かれていません。話し終えて、シモンに
「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」
と言います。シモンは「先生、わたしたちは、
夜通し苦労しましたが、何もとれませんでし
た。」と答えます。徹夜をして漁をしたが何も
とれなかった。徒労に終わった。ですから、や
めますとは言わずに、「お言葉ですから、網を
降ろしましょう」と答えます。舟の中でシモン
はイエスの話を聞いていました。イエスの言葉
を神の言葉として受けとめたのです。そのため
に、お言葉どおりにいたしましょう、と応答し
ます。すると、大漁となります。シモンはイエ
スの持つ力に圧倒され、彼の内面が暴露されま
す。網を入れても何も取れない、徹夜して取れ
なかったから。しかし、イエスの言葉は違う。
大魚となる。全てを知っている。シモンはその
ことに気づき、イエスの弟子になります。イエ
スから先に声を掛けました。キンダーガルテン
に来られているお子さん一人ひとり、イエス様
が招いておられる大切なお子さんであることを
9月聖句から教えられます。
             園長 真砂良克

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